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岐阜薬科大学

概要

多環芳香族化合物は特有の物性を示し、様々な有機電子材料への応用が注目されています。これまでに均一系遷移金属触媒によるC-H結合活性化を基盤とした合成法が報告されていますが、(反応後に廃棄物となる)過剰量の塩基や酸化剤を用いており、生成物への微量残留金属も懸念されるため, 金属漏出を低減した不均一系触媒によるクリーンな分子変換法の開発が理想とされます。

私たちの研究室では、狭小な流路を介して反応液を触媒カートリッジに移送し, 触媒上で目的の反応を進行させる連続フロー法と、反応液中の物質を選択加熱するマイクロ波(MW)技術を組み合わせた「MW照射連続フロー反応」の開発を進めています。これまでにMWエネルギーを粒状活性炭担持白金触媒(10% Pt/CB)に集約して局所高温反応場を形成し、メチルシクロヘキサン(MCH)や2-プロパノール(2-PrOH)から効率良く水素を取り出す方法(酸化的脱水素法)を開発しています。この知見を応用して, ジフェニルアセチレン誘導体やジフェニルメタン誘導体からフェナントレン誘導体やフルオレン誘導体への分子変換法を開発に挑みました(図1)。

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粒状活性炭担持白金触媒(10% Pt/CB)を充填した反応管に、10~20 ワットのマイクロ波(MW)を照射しながらジフェニルアセチレンを始めとする基質のメチルシクロヘキサン/2-プロパノール混合溶液を送液するのみで進行する、多環式芳香族化合物の新しい合成法を開発しました。本法は酸化剤を必要とせず、流路に設置した触媒カートリッジに、低出力?単一周波数のマイクロ波を照射するのみで進行するC-C結合形成反応です。脱離基を使用することなく、水素のみが副生物である極めてクリーンな方法論として今後の発展?展開が期待されます。

本研究は、岐阜薬科大学薬品化学研究室 寺西航、櫻田直也、大鳥清也、安部佑香、松尾知寛、山田強講師、井川貴詞准教授、佐治木弘尚教授、東京理化器械株式会社(森井康晴)、エヌ?イー ケムキャット株式会社(吉村昌寿)、株式会社 サイダ?FDS(吉村武朗)による共同研究の成果であり、シュプリンガー?ネイチャー社の化学誌「Communications Chemistry」に公開されました(オープンアクセス)。
(https://doi.org/10.1038/s42004-023-00880-y)

本研究成果のポイント

  • 酸化剤を必要とせず, 流路に設置した触媒カートリッジに, 低出力?単一周波数のMWを照射するのみで進行するC-C結合形成反応である。
  • 水素のみが副成物である極めてクリーンなC-H/C-Hカップリング反応として実用化に向けた発展と展開が期待される。

論文情報

  • 雑誌名:Communications Chemistry
  • 論文名:Microwave-assisted C-C bond formation of diarylacetylenes and aromatic hydrocarbons on carbon beads under continuous-flow conditions
  • 著者:Tsuyoshi Yamada, Wataru Teranishi, Naoya Sakurada, Seiya Ootori, Yuka Abe, Tomohiro Matsuo, Yasuharu Morii, Masatoshi Yoshimura, Takeo Yoshimura, Takashi Ikawa, Hironao Sajiki
  • 巻号:6巻
  • 論文番号:78
  • DOI番号https://doi.org/10.1038/s42004-023-00880-y
  • QRコード
    figure_02.png(論文PDF)

研究室HP

https://www.gifu-pu.ac.jp/lab/yakuhin/index.html